Pythonはスクリプト型言語の1つです。少ないコードで初心者でも簡単にコーディングが可能で、かつ誰が書いてもコードが読みやすくなるという特徴を持った言語です。
Pythonはライブラリと呼ばれるプログラムの種類が豊富で、様々な機能の実装が初心者でも簡単にできます。そのため「人工知能」や「機械学習」、「Web開発」、「スマホアプリ開発」など、様々な分野で使用されています。
そんな近年人気が高まっているPythonをインストールして、プログラミングを学んでいきましょう。また、プログラミングに欠かせない統合開発環境(IDE)の1つであるPyCharmのインストール方法、および日本語化の方法についても詳しく解説します。
Pythonのインストール方法
Pythonインストーラのダウンロード
Python公式サイトからPythonのインストーラをダウンロードします。

Download the latest version for Windowsのところに「Windows」「Linux/UNIX」「Mac OS X」を選択するリンクがあるので、自分の使用しているOSを選択します。
今回は「Windows」を例に解説します。
リンクをクリックするとOSに対応したPythonのダウンロードページに移動します。

Stable Release(安定板)から、64bitのOSなら「Download Windows x86-64 executable installer」、32bitのOSなら「Download Windows x86 executable installer」をクリックするとインストーラのダウンロードを開始してください。
インストーラの実行
ダウンロードが完了したらインストーラを起動します。

インストーラが起動して画面が表示されたら「Add Python 3.7 to PATH」にチェックを付けます。
パスを通す作業をインストーラが自動でやってくれます。
手動でパスを通すのは面倒なのでここでチェックを入れておきましょう。もしチェックせずにインストールした場合は、一度Pythonをアンインストールしてから再度インストールする方が楽です。
チェックを付け終わったら「Install Now」でPythonのインストールを開始します。

インストールは1, 2分以内に終わります。

Pythonのインストール完了画面が表示されたら準備完了です。
Pythonコードを実行してみよう
コードの作成
Pythonのインストールが完了したので、試しにソースコードを書いてみましょう。適当なところで右クリックメニューから「新規作成」>「テキスト ドキュメント」を選択してテキストドキュメントを作成します。

テキストドキュメントを開いたら、以下のようなコードを記入します。
import time print("Hello World!") time.sleep(5)
こちらは「Hello World!」と表示させ、5秒間停止するソースコードです。

上書き保存をしたら、一度テキストドキュメントを閉じてファイル名を変更します。ファイル名は適当でもいいですが、拡張子は「.py」にします。
拡張子を変更しようとすると警告が出ますが、そのまま変更します。


拡張子を「.py」に変更すると「Python File」になります。
コードを実行する
作成したPythonファイルをダブルクリックすると、テキストドキュメントで記入したソースコードが実行されます。

Pythonが起動して「Hello World!」が表示され、5秒後にウィンドウが自動で閉じます。
このようにテキストエディタだけでもPythonでの開発は可能ですが、Pythonの開発環境を整えておくと、より効率よく開発が出来ます。
開発環境(Pycharm)の準備
先ほどテキストドキュメントを使ったコーディングをしましたが、単なるテキストエディタでは開発が非常に不便です。
そこで使用するのがIDE(統合開発環境)です。IDEはプログラミング開発に特化したアプリケーションで、コード入力の補助や実行前にコードの不備を指摘してくれたりと様々な便利機能があります。
IDEは様々な種類がありますが、今回はPythonの開発に特化したIDEである、「PyCharm」をインストールします。
PyCharmのダウンロード
JETBRAINSの公式ページからPyCharmをダウンロードします。

ダウンロードページを開くとOSを選択する欄があるので、自分の使用しているOSをクリックで選択します。
OSの選択が完了したらPyCharmのダウンロードを行いますが、Professiona(有料版)とCommunity(無料版)があるので、Communityを選択しましょう。Pythonの開発だけならCommunityで問題ありません。
PyCharmのインストール
PyCharmインストーラを実行すると以下のような画面が表示されます。以下、画像に沿ってセットアップを進めていきます。


インストール先の指定ができますが、特に変更する必要はありません。

インストール時のオプションを設定します。
Create Desktop Shortcut | デスクトップにショートカットを作成する |
Update context menu | コンテキストメニューに”Open Folder as Project”を追加する |
Create Association | .pyをPyCharmで読み込めるようにする |
Update PATH variable (restart needed) | PyCharmのパスを通す |
この中で必要なのは「Create Desktop Shortcut」と「Create Association」の2つです。忘れずにチェックしましょう。


インストールは1, 2分あれば終了します。

しばらく待つとインストールが完了します。
Pycharmの動作確認
デスクトップやスタートメニューにショートカットが作成されるのでPyCharmを起動します。

PyCharmを起動すると、初回のみ設定をインポートするか確認されます。インストールが初めてだと設定ファイルはないため「Do not import setting」を選択して次へ行きます。

ブライバシーポリシーに同意して「I confirm that I have read and accept the terms of this User Agreement」にチェックを入れ、「Continue」をクリックします。

PyCharmの改善のために匿名データを送信するか選択します。どちらでもいいですが、データを送る場合は「Send Usage Statistics」を選択します。

「Create New Project」をクリックします。

プロジェクトの保存先を決めます。デフォルトでは「untitled」になっていますがフォルダ名は適当で大丈夫です。

PyCharmが起動してTipが表示されます。今後表示しなくていい場合は「Show tips on startup」のチェックを外し、ウィンドウを消します。

PyCharmのインストールはこれで完了ですが、アプリケーションが全て英語で分かりづらいのでプラグインで日本語化します。
PyCharmの日本語化
日本語化プラグインのダウンロード
MergeDoc Project から日本語化プラグインをダウンロードします。
リンク先のページにOSごとのダウンロードリンクがあるので、自分の使用しているOSに合わせてダウンロードしましょう。

ダウンロードしたzipファイルを展開してプラグインのインストーラを起動します。
日本語化プラグイン実行

日本語化するアプリケーションの右にある【選択】をクリック。

「C:\Program Files\JetBrains\PyCharm Community Edition 2019.2\bin」にPyCharmの実行ファイルがあるので選択して開きます。

【日本語化する】をクリックすると処理が始まります。

日本語化処理が終了するとポップアップが出てきます。これでPyCharmの日本語化が終了したので、改めてPyCharmを起動します。

きちんと日本語化出来ていることが確認できます。
PyCharmによるコードの実行
コードの作成
開発環境の用意ができたので、Pycharmで実際にソースコードを書いてみましょう。既に開いているプロジェクト(今回はtest)の場所を右クリック>「新規」>「Pythonファイル」を選択します。

Pythonファイルのファイル名を適当に入力します。

Pythonファイルが作成されたら、テキストドキュメントでコーディングした時と同様のソースコードを書きこみます。
import time print("Hello World!") time.sleep(5)

コードの実行
コードを書き終わったらPytharm右上にある緑色の実行ボタンを押すか、「Shift+Ctrl+F10」でコードを実行します。

コードを実行すると、画面下に実行結果が表示されます。
このように、IDEを使えば1つのアプリケーションでファイルの作成、コーディング、実行まで行うことが出来ます。また、プロジェクト単位でのファイル管理が出来るので、切り替えなどがスムーズになります。ぜひみなさんもIDEを活用して効率よくプログラミングを行いましょう。