FXでは頻繁にレバレッジという言葉が使われます。
一般的に、レバレッジが高いとたくさんトレードができるからリスクが高いと思われがちですが、それは間違いです。
レバレッジはうまく利用すれば、リスクが高くなるどころかリスクを抑えることも可能です。
この記事では、一般的なレバレッジに関する誤解を解消し、レバレッジをうまく利用することでリスクを抑えることが出来るということを解説します。
レバレッジとは

レバレッジとは「てこ」のことで、少ないお金で何倍もの大きな取引ができることを言います。
通常、手元に5万円しかなければ5万円分のトレードしかすることができません。
しかし手元のお金を担保にレバレッジをかけることで、何倍ものお金があるものとしてトレードが可能になります。
例えば、5万円に10倍のレバレッジをかけることで、最大50万円分までのトレードが可能になります。
レバレッジが高い≠リスクが高い
よく誤解されますが、FX業者のレバレッジの高さと危険度は比例しません。
2019年現在の国内FX業者と海外FX業者のレバレッジは以下の表の通りです。
レバレッジ | |
国内FX業者 | 25倍 |
海外FX業者 | 500倍 |
海外FX業者はレバレッジが数百倍のところがほとんどで、業者によっては2000倍と言う所もありますが、例として500倍としています。
少し前は国内FX業者もレバレッジは100倍にすることが可能でしたが、規制によって現在の25倍にまで下がっています。また、今後もさらにレバレッジ規制が強まる可能性があります。
2019年現在、海外FX業者の方が国内FX業者に比べてレバレッジが20倍高いです。
では、海外FX業者でトレードをしたら全てのトレードでリスクリターンは20倍になるでしょうか?
答えは「ノー」です。
レバレッジの差というのは、あくまで扱える金額の差でしかありません。
国内FX業者でレバレッジ25倍で100ドルを買うのと、海外FX業者でレバレッジ500倍で100ドル買う。
元金に違いはありますが、結局同じ100ドルを買っているので両者にリスクリターンの違いはありません。
ではなぜ高レバレッジが危険と言われるかと言えば、レバレッジの高さゆえに証拠金に見合わない高リスク高リターンの取引ができてしまうからです。
実際、高リスクのトレードをして失敗した経験が私にもあります。以下の記事で高リスクのトレードで痛い目を見たことについて語っています。
低レバレッジであれば、自分でリスクをコントロールできなくても、証拠金に見合わない高リスクのトレードをすることはなくなります。
その点では国内FX業者は優位性があると言えます。
レバレッジが低い方がむしろリスクが大きいことも
一般的に低レバレッジであればトレードのリスクが低いと思われがちですが、実は低レバレッジの方がリスクが大きい場面もあります。
というのも、レバレッジが低いほど多くの証拠金が拘束されるからです。拘束される証拠金が多いと、強制ロスカットにかかりやすくなったり、追加でポジションを持ちにくくなります。
例えばドル円で1万通貨買うとします。
1ドルあたりのレートをおよそ100円とした場合、レバレッジ25倍の時に最低限必要な証拠金は
$$10000通貨×100円÷25倍=40000円$$
レバレッジ500倍の時は
拘束される金額がレバレッジによってこれだけ変わります。証拠金が5万円の場合、レバレッジ25倍で1万通貨買うとそれだけでも証拠金の4/5が拘束されます。
この状態でドル円のレートが99円未満にまで下がると、証拠金維持率が100%を下回り強制ロスカットです。
一方、レバレッジ500倍であれば99円まで下がっても証拠金維持率は2000%とかなり余裕が持てます。証拠金維持率に余裕があるので強制ロスカットにならないうえ、ここからポジションを増やすことも可能です。
このように証拠金が同じ場合、レバレッジが低いと拘束される金額の割合も高く、トレードの自由度が低くなります。
戦略的なトレードをするためにはレバレッジが高い方が有利なんですね。
自分を管理できるかどうかが大事
レバレッジの有用性や危険性について解説しましたが、結局のところ大事なのは自己管理ができるかどうかです。
いくら高レバレッジで自由度が高くなり戦略的なトレードが可能になっても、自己管理ができず高リスクのトレードを繰り返すようでは意味がありません。
リスクマネジメントを意識したうえでレバレッジをうまく利用し、安全にトレードしていきましょう。